2026年6月23日

咳は、風邪をひいたときや空気が乾燥しているときなど、日常の中でよくみられる症状です。数日で軽くなることもありますが、なかなか治まらない場合には、のどや気管支、肺などに炎症や刺激が残っていることがあります。
咳には、気道に入った異物や痰を外へ出す働きがあります。体を守るために起こる反応ですが、夜に眠れないほど続く、会話の途中で咳き込む、3週間以上続くといった場合には医療機関で原因を調べたほうがよい状態です。
咳の種類
咳は大きく分けると、痰を伴わない乾いた咳と、痰がからむ湿った咳があります。乾いた咳は、咳喘息、感染後咳嗽、胃食道逆流症などでみられることがあります。
湿った咳は、気管支炎や肺炎、副鼻腔炎、慢性閉塞性肺疾患などが関係することがあります。咳の音だけでは原因を判断できないため、期間や痰の状態、発熱の有無も合わせて確認する必要があります。
咳の主な原因
咳の原因で多いのは、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの呼吸器感染症です。鼻やのど、気管支に炎症が起こることで、咳、発熱、のどの痛み、鼻水などの症状が出ます。
感染症以外では、アレルギー、喫煙、ほこり、冷気、胃酸の逆流、薬の副作用なども原因になります。ひとつの原因だけでなく、複数の要因が重なって咳が長引くこともあります。
長引く咳で考える病気
咳喘息、アトピー性咳嗽、感染後咳嗽、後鼻漏、胃食道逆流症などは、長引く咳の原因としてよく知られています。
喫煙歴がある方では慢性閉塞性肺疾患、乾いた咳と息切れが続く場合は間質性肺炎も考えます。血痰、体重減少、長引く発熱がある場合は、肺炎や結核、肺がんなどの病気を見逃さないためにも、早めの受診が必要です。
一緒に確認したい症状
咳と一緒に、発熱、胸の痛み、息苦しさ、黄色や緑色の痰がある場合は、気管支炎や肺炎の可能性があります。鼻水や鼻づまり、のどの奥に鼻水が流れる感じがある場合は、後鼻漏が関係することがあります。
胸やけ、げっぷ、食後や横になったときの咳は、胃食道逆流症の手がかりになります。受診時には、咳が始まった時期、悪化する時間帯、痰の有無を伝えると原因を考える手がかりになります。
内科で行う検査
内科では、問診と聴診で咳の状態を確認します。症状の経過や呼吸音をみたうえで、必要に応じて胸部X線検査、血液検査、痰の検査、酸素飽和度の測定を行います。
咳喘息や気管支喘息が疑われる場合は、呼吸機能検査や呼気NO検査を行うことがあります。検査を組み合わせることで、肺炎や結核、肺がんなどの病気が隠れていないかを確認しながら治療方針を決めていきます。
治療の考え方
咳の治療は、原因に合わせて行います。風邪による咳であれば、休養や水分補給を基本にしながら、症状に応じて去痰薬や咳止めを使います。細菌感染が疑われる場合には抗菌薬を使用することもあります。
咳喘息では吸入薬、後鼻漏では鼻炎や副鼻腔炎の治療、胃食道逆流症では胃酸を抑える薬や生活習慣の見直しを行います。咳止めだけで様子をみるよりも、原因に合った治療を行うことが改善への近道です。
受診の目安
咳が数日で軽くなり、発熱や息苦しさがない場合は、自宅で様子をみられることがあります。室内を加湿し、水分をこまめにとり、たばこの煙や冷たい空気を避けることで、のどや気道への刺激を減らせます。
ただし、咳が3週間以上続く、眠れないほど強い、息苦しさがある、血痰がある、胸が痛い、発熱が続く場合は受診が必要です。咳は身近な症状ですが、長引くときは内科で原因を調べましょう。早めに相談することで、症状の悪化を防ぎやすくなります。